2023/5/7  週報メッセージ

「あなたはわたしを愛するか」 (ヨハネ書 21:15-19

山本修一

  今週もヨハネ書21章から学びます。21章は、不思議な章です。ヨハネ書は20章の終わりの結びの言葉で完結し、21章でまた新しく始まっているようです。この謎は後世の人が編集加筆したものと考えられています。それにしても21章は、20章と並んで、ヨハネ書の中でもっとも重要な章といわれています。21章は、主イエスの復活は幻影・幻想ではなく、現実であったことを決定的に示すものとして付け加えられたと考えられているのです。

 主イエスの「あなたはわたしを愛するか」という質問が、なぜ三度もくり返されたのでしょうか。

ペトロは十字架前に、臆病で不信仰であったために、イエスを否認して、その場から逃亡しました。しかし彼の心は深く傷つき、痛みを味わっていました。主イエスは、ペトロが立ち上がり、羊の群れを牧するように、ペトロの悪夢のような記憶を癒やし、愛の呼びかけをなされたのです。ペトロは三度主を否定したのですが、主はペトロに三度も愛の応答をさせたのです。この神さまに対する愛の確認によって、ペトロの心は癒やされ、霊的に回復したのです。

ペトロは、その後、初代教会の指導者として、立派にその役割を果たしていくことになります。教会も、そこから大きく成長していくのです。(使徒2~5、10~12章)。

  私たちは、「目に見えない神さまを全力を尽くして愛する(マル12:30)ことなど、どうしてできるのか」と、初めから諦めてしまっていることはないでしょうか。将来のことではなく、過去のことでもなく、主イエスは「今」、私たちの気持ちはどうなのかと呼びかけておられるのです。(4/30 山本修一師 説教から)